神戸六甲ミーツ・アート 2026 beyond ── 公募作品プラン
六甲の帳Voile
記憶の濾過と再領土化
風景を完全には遮らず、粒子状に分解する布の層。鑑賞者はそのあいだを歩き、
土と霧によって絶えず揺らぐ六甲山を、身体で通過する。
Concept
六甲の展示環境に適応させた
素材によって空間化する
インスタレーションである。
これまで私は、「帳」という概念を絵画として扱い、認識と世界のあいだに立ち現れる層を描いてきた。本作はそれを空間へと拡張し、鑑賞者の身体を通じて経験されるものへと転換する試みである。
六甲山は、かつて資材採取によって禿山となり、植生回復によって現在の景観が形成された喪失と再生の履歴を内包する。この時間の層を「濾過」という行為として捉え、山そのものを一つの「単位世界」と見なし、そのあわいに現れる帳を物理的に立ち上げる。
新池のほとりに配置されたメッシュに鑑賞者が足を踏み入れると、視界は完全には遮られず風景は粒子状に分解される。歩みとともに土の付着した網目が重なり、遠景は断片化される。さらに六甲特有の濃霧が発生した際、層は湿り透過性が変化し、風景は気象と物質の相互作用によって絶えず揺らぐ体験となる。
風景は見る対象ではなく、
通過する現象となる。
Process & Sketches
Material Specification
高強度ポリエステルメッシュ(防風・耐候仕様)に、六甲山の粘土・土壌顔料と定着剤を擦り込む。顔料は赤土や灰色を基調とし、近距離では粒子として知覚される密度で定着させる。(「左美都焼き」の色彩技法を応用)
Site - 新池のほとり
新池のほとり、木立の間を縫うトレイルルートに、地形の起伏に応じて「帳」を多層的に配置する。
水面は、メッシュによって分解された風景を反射し、像を反転させながら重層化させる。透過と反射のあいだで揺らぐ、複層的な体験がここに立ち上がる。
- ROKKO 森の音ミュージアム
- 六甲高山植物園
- 六甲ガーデンテラスエリア
- 新池エリアSELECTED
Body Experience
これは平面の絵画を超えた実践であり、鑑賞者自身の身体を「いと(物語の最小単位)」として空間に編み込む試みである。
風景を受動的に眺める対象から、土地の物質性を介して能動的に経験し直す場へと転換する。
本ページに掲載されている「六甲の帳(ヴォーレ)」をはじめとするインスタレーション・プランは、現在、実現に向けて実展示の機会(美術館、芸術祭、野外展示など)を探しています。
空間のスケールや地形、環境条件に応じたサイズの可変・再構成(Site-Adaptable)が可能です。詳細なコンセプト資料や構造プランをご用意しておりますので、展示招致や共同プロジェクトにご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。